将棋大会には笑えるネタがつきものです。
特に全国大会では知り合いの近況報告などで何かしら新鮮なネタが入ってくるのがこれまた楽しいのです。
さて、今回のアマ竜王戦は会場が天童の温泉旅館だったこともあり、大浴場があります。選手の宿は別の小さなホテルでしたがお風呂だけは入らせてもらえることができました。
前夜祭のあとに大浴場で髪の毛を洗っていると何やら聞き覚えのある声が…本大会の審判長の広瀬竜王でした!
竜王のすぐそばで湯船に浸かっていた新潟代表の高校生が露天風呂に移動してきた際に私が「竜王居たねー」と話したら至近距離でも竜王の存在に気が付かなかったらしく驚いてダッシュで内風呂に戻っていきました。
負けた後はだいたい誰かにいじられます(笑)。埼玉の将棋ライターの方に当HPを一応紹介しておいてはいたのですが、「最近仕事辞めて将棋教室やるのが流行りみたいですね(笑)」と一言。
色んな意味で冗談交じりに引退感を匂わせてくるあたりがうまい。さすがの職業柄で敗戦の傷を少しだけ紛らわしてもらいました。全国大会負けたくらいで私は現役選手として引退はしませんって。
予選落ちしたらその日の宿が用意されないので自分で探さなくてはなりません。もう一泊して最終日も少し観戦したかったのですが、どこのホテルもその日はいっぱいで部屋がなく帰宅不可能になった私は栃木県で途中下車し、栃木県代表の中口君のアパートに泊めてもらいました。
中口君は石川県出身の元奨です。彼が北陸に居たときは私も何度か手合わせしたことがありますが、トータルで負け越している数少ない相手です。
彼の奨励会時代や、アマ復帰後など回顧録的な話の中で棋界の情報にかなり疎いことが判明。
前夜祭の会場に広瀬竜王がいたことについて「何で広瀬さんがいるの?」と思ったそうです。つまるところ現在の竜王タイトルの保持者が広瀬さんだということを知らなかったそうです(笑)。
まさかと思って聞いたのですが、ここ数年で北陸から何人か全国大会優勝者が出たこともあまり知らなかった様子で自分が出る大会以外の情報はあまり知らないという淡泊な回答でした。
彼の天然ぶりとさっぱりした性格というか感性には狐につままれたような不思議な気持ちにさせられましたが、色んな価値観があっていいと思いました。
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