今日はアマ名人戦の県大会でした。
予想通り過去最高レベルのメンバーが集結。
予選からハイレベルな組み合わせが随所で見られました。
2勝通過2敗失格システムのため予選のハードルが今年から上がっています。
予選の1回戦を制勝した後に観戦に回ったところで滅多に見られない光景を目にしました。
最有力優勝候補の1人の鷲塚君が劣勢の局面で時間も2分程しかない中、驚異の追い込みで入玉を目指しますが最後は水際で包囲網を堅めらます。
金打ち1手詰めの局面まで来てから相手が打ったのは歩、鷲塚君は1つ玉を横に逃げました。それでもまだ金打ちの1手詰という状況に変わりはありませんでしたが相手が打ったのはまたもや歩。
そして行き場のなくなった鷲塚玉は詰んでしまいました。彼は驚いたように自玉の詰みを確認し、「詰んでますよね?」と相手に尋ねました。
そう、打ち歩詰めだったのです。
私の将棋人生で初めて見た生の打ち歩詰めでした。
予選で注目して観戦した他の対局は以下のような感じでした。
1回戦:古崎vs庄司(古崎勝ち)、野原未vs藤原(野原勝ち)
2回戦:古崎vs鷲塚(古崎勝ち)
3回戦:鷲塚vs庄司(鷲塚勝ち)、野原未vs藤原(野原勝ち)
予選2回戦で県棋界有数の美青年鹿熊君に勝った道場席主が「金星、金星」と喜んでおられました。
「イケメンに勝つと嬉しいですよねー」と話すと「30年前の俺はもっとイケメンだった」と突っ込まれましたw。
個人的には桶屋さんと鷲塚君を最も警戒していました。桶屋さんと同じ山になったときはくじ運悪いな…と思いましたが、その後に鷲塚君が割り込んできてくれたのでその2人が先に潰し合うはめにw。
反対の山では古崎さんや奥田君、湊君がいい感じで散らばっていましたが、一番の注目は未蘭ちゃんがどこまで勝ち進んでくるか、そしてそれを誰が止めるのかということでした。
本戦からは緊張度を高めるために扇子ダブル(鳴らす用と仰ぐ用)の二刀流で対局。
2回戦までは順当に勝ち進みましたが、3回戦の相手が古豪杉本さん。矢倉vs左美濃の戦型でした。
時間が無かったのでソフトっぽいチャラい攻めを中盤早々に決行。
私に指しこなせるわけがなくしばらく進んで作戦負けになりましたが、終盤攻め合いのどさくさに紛れて逆転、制勝するところとなりました。
未蘭ちゃんが古崎さんを倒した結果を聞いて、ついにここまで来たかぁ…とちょっと複雑な思いになりました。
1人、また1人と消えていくこのスリルが堪らないから将棋はやめられません。
桶屋vs鷲塚戦はいつ見ても異質な空気が流れています。ベスト8のうち一番長い将棋で最後は黒山の人だかり。勝ったのは桶屋名人。
少年軍団最後の生き残りは大田君でしたがここで敗退。残念。
【ベスト8】左が勝ち
野原未vs富樫、奥田vs大田、桶屋vs鷲塚、中平vs杉本
準決勝で桶屋名人と対局することになりました。ここで持参の盤駒を相手の了承のもとに使用しました。
玉の堅い将棋でないと勝つのは難しいと判断し、ノーマル四間飛車を採用しましたが、それを上回る右四間飛車穴熊でパワーアップした名人は文字通り鬼に金棒。
局後に終盤のスペシャリスト鷲塚君も絶賛した寄せの組み立てでどの変化もはっきり1手負けだったようでした。
対局前に未蘭ちゃんに「山のてっぺんで逢おう」と軽いノリで言っておいたものの両者ここで脱落となりました。
対局中に「未蘭ちゃんが勝ち上がってきたら最後止めとかないとなぁ…責任重大。でもまあその時は勝って最後に華を添えてもらうのも悪くないよな」などとチャラい事を考えていましたが、現名人の壁の前に儚くも夢は砕け散りましたw。
【ベスト4】左が勝ち
奥田vs野原未、桶屋vs中平
やはり予想はそれなりに正確なものです。実力が全ての世界ですから。
結果論でしかないかもしれませんが、隣の山を見たときに正直勝ち上がってくる可能性が一番高いのは奥田君だと思っていました。
彼とは過去に2回手合わせしたことがあり、結果は1勝1敗。直近では昨年の支部名人戦富山支部大会の決勝で指しましたが、1局指せば力量は容易に推察できました。言葉にするのは難しいですが時間の使い方や雰囲気、指し手以外から感じられる「何か」でしょうか。
開戦から終始主導権を握って攻めていた奥田君を桶屋名人がねじ伏せ逆転。これはもう桶屋名人逃してくれないだろうなと思って見ていましたが、その後の攻めを奥田君が間一髪でかわし、半入玉型となって再逆転劇での幕切れとなりました。
奥田君が優勝でした。
【決勝】左が勝ち
奥田vs桶屋
決勝でも持参の盤駒を使ってもらったので持ってきた甲斐がありました。
大会後は皆で食事会。
終わった後の宴の場では勝者も敗者も関係なく皆爽やかでした。
湯呑みのお茶で乾杯しました。
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